対象読者
- セクハラって騒ぎ過ぎだろ、と思っている男性
- セクハラされた女性の感想の一例を知りたい方
結論
私は男性である。
とある事例を聞いて、私は男性から女性へのセクハラについて勘違いしていたことに気づいた。そして、セクハラが起こる原因の根幹は「男性が女性をナメている」ことにあることを知った。
まずは男性のセクハラに関する勘違い・考え方について述べる。
大袈裟じゃね?取るに足らないセクハラ?
そこまで深くセクハラに関して考えたこともないのだが、私は漠然と次のような考えを持っていた。批判は免れないかもしれないが、恐れず書く。
「セクハラされることは、女性としての性的魅力があることの証拠なのではないか。魅力がなければ、セクハラされることはないはずだ。その瞬間は恐怖や嫌悪感があるかもしれないが、むしろ誇ってよいのではないか。」
なんと女性を見下した考え方なのだろうか!まるで「セクハラしてもらえて有難く思え」と言わんばかりだ()。
セクハラを受けてムカついた事例
そんな偏見を持つ私はとあるセクハラを受けた女性の感想を聞いてビックリした。なぜなら、「ムカついた。怒りを覚えた。」と言っていたからだ。
私の妹がセクハラを受けたらしい。詳細は忘れたが、お尻を触られたらしい。しかし、その瞬間ではなく、ちょっと後にセクハラだったことに気づき、怒りを覚えたらしい。
舐めやがって、ムカつく!
私はこの話を聞いて驚いた。上記のとおり、セクハラを受けたら「気持ち悪い」や「不愉快」などと思うのが典型的な反応であり、怒りを覚えることは予想外だったからだ。
なぜ舐められたと思ったのかを聞いたら、
そもそも、触ってもいいって発想すること自体がおかしい!
自分より立場が上な女性、たとえば上司が女性だったとして、彼女に対してセクハラできるだろうか?いや、できるはずがない。
だとすれば、私にセクハラをしたアイツは私のことを下に見ていたに違いない。
なるほど、納得だ。
派遣社員の女性に対して、派遣先の正社員の男性がセクハラをする事例が多いようだ。これも男性が自分の方が立場が上であると勘違いし、舐めた態度を取っていたことの当然の結果だと理解できる。
昔、私の会社の同期だった女性が通勤電車で痴漢に遭ったらしく、泣いていた。なぜ泣いていたのか不思議に思っていた。その理由を直接聞きたかったが聞ける訳がなく、なんとなく疑問だった。しかし、漸く理解できた。あれは屈辱の悔し涙だったのだ。
コンプライアンス研修でのセクハラへの注意喚起への違和感
私の勤め先のコンプライアンスにてセクハラを取り上げていた。要約すると次のようになる。
- 昔の感覚として、セクハラはそこまで騒ぐほどの問題ではなかった
- でも、最近はいろいろ厳しくうるさい世の中になってきた
- 社会制度としても厳しくなって、罰則も厳しくなってきた
- だから、セクハラはやめよう
この内容も女性への敬意に欠いているように思う。この意見は(特に年配の)日本人男性の多くに共通する代表的な意見かもしれない。というのも、この研修の講師は年配の男性であり、臆面もなく語っていたからだ。
この論調に違和感を感じた。なぜなら、講師はセクハラで騒ぎ過ぎだと本心では思っていて、だからセクハラに気を付ける動機を罰則に持っていったのだ、と思ったからだ。
「罰則があるから悪いことはしない方がいい」というのはとても程度が低い戒めだ。ムチでいうことを聞かせることは動物でもできる。
セクハラの根本は女性蔑視だ。だからセクハラが許されないことは当たり前である。このように講師は説くべきではなかっただろうか。
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