バカが多いのには理由がある レビュー

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所感

少し不快なタイトルの本書は、習慣プレイボーイに掲載されたコラム「そ、そーだったのか!?真実のニッポン」を集めて再構成した小ネタ集である。

ヒトは肉食獣のエサだった。その時の名残でヒトは直観によって判断する(ファスト思考)。物音がして「何だろう」と考え込むような個体は真っ先に捕食され、淘汰されてしまうからだ。

物事の本質について理解するためには、「何だろう」と考えなければならない(スロー思考)。しかし、ファスト思考をするように進化したという意味で、ヒトはバカである。

一見、気分のよい報道・記事などの奥には不愉快な事実が隠されていて、それらの例が列挙されている。以下に最も不愉快だった一例を挙げる

ルワンダ虐殺

NGOは人々の不幸(紛争、虐殺)を商材として、寄付者に人助けをした、という満足感を売るビジネスである。顧客(寄付者)が心を痛めるような絵、寄付金による援助によって彼らが救済されたという絵を取れなければ、寄付金を集めることができなくなる。

四肢を切断される子供。国境を越えて難民化する民。これらの映像を見て、心を痛めた人が寄付によって彼らに助けようとする。しかし、難民化した彼らは子供を虐殺した側であり、報復を恐れて逃げただけだったのだ。そんな彼らが寄付金で作られたキャンプで難をしのぐ姿を見て、寄付者は満足していたのだ。

各セクション毎に著者の深い洞察が得られ、ためになる。しかし、コラム集であるため、セクション間に繋がりはなく、少々退屈な本だった。著者の他の著作で理論的な基礎を固めた後に、例題集として本書を読むのが良いと思う。

著者

橘 玲

バカが多いのには理由がある 〈理由がある〉シリーズ (集英社文庫)

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