対象読者
- 保険の選び方に関する考え方を学びたい方
結論
- 資産形成を保険に求めるべきではない
- 保険は掛け捨てのものを選び、安さを追求すべし
根拠
保険とは
保険とは、契約者から保険料としてお金を募り、そこから不幸があった契約者への支払いを行う、リスク管理の仕組みだ。
契約者に不幸がなければ、保険料はドブに捨てたことになってしまう。不幸に”当選”すれば、大金を得ることができる。故に、保険は不幸な宝くじと呼ばれる。
保険にはいろんな種類や組み合わせがあって、とても複雑に見える。しかし、コアな部分は、契約者でお金を集めて、不幸な人を救済する。それだけだ。
掛け捨ては損なのか
私が保険の営業を受けた際、掛け捨ては勿体ない、と感じた。定期保険よりも、満期金が返ってくる終身・養老保険の方が良いに決まっている、と思った。しかし、それは間違いだった。
上記で見たように、保険を成立させるためには費用が要る。実は養老保険にも掛け捨て部分は含まれている!。貯蓄性のある保険では、掛け捨て分と貯蓄用の分の両方の保険料を支払う必要があり、定期保険と同様に、掛け捨ての費用は発生する。
保険の手数料は割高
貯蓄性がある保険は、資産運用の役割を持つ。つまり、利回りは重大な関心事だ。しかし、保険において、手数料がいくらなのかが不明である。一方、投資信託ならば、明確に手数料のパーセンテージが記載されている。
とある本によると、保険の手数料は20~40%もあるようだ。つまり、保険で運用を開始した時点で、マイナス30%から資産形成が始まることになり、かなり不利だ。
会社でよく見かける生保レディーや大量に流されるテレビCMからも想像がつくように、保険会社は人件費や広告費を大量に使っている。その原資は保険契約者の保険金から捻出される。故に、保険の隠された手数料はそれだけ高くなる。
バブル期に販売された、利回りが高い保険(お宝保険と呼ばれる)なら持っていて損はないが、それ以降に販売された貯蓄性の保険は資産形成に向いていない。
保険はなぜ必要なのか
保険は貯金では対応できないリスクに備えるための仕組みだ。そのリスクとは、
- 急な出費(医療費等)
- 収入減(失業、入院等)
などだ。
逆に言えば、
- 貯蓄によって対応できるものや、
- 不必要に高い返戻金
に対して保険をかけることは不適切だ。
例えば、
- 学資保険
- 独身者の生命保険
は必要ない。
1.は、突発的な事態ではないし、将来必要となる教育資金は予測することができるからだ。
2.は一家の大黒柱が死亡したことによる収入減のリスクを避けるためのものだからだ。悲しいが、独身者が死亡しても、経済的に困る人はいない。
返戻金の金額が大きければ大きいほど、嬉しい気もするが、それは保険の本質から外れているし、不必要に高い保険料を支払うだけなので、意味はない。重要なことは、急な不幸が訪れたときに、いくら不足するのかを把握して、その不足分をちょうど補うような保険に入ることだ。
上記の保険の意義に立ち返れば、家庭を持ちの生命保険の立ち回りが分かる。すなわち、子供の年齢が上がるに従って、必要となる資金額は減る。なので、保険料を徐々に減らすことは合理的だ。
プロが選ぶ保険
本来、保険の仕組みはシンプルなものだ。貯蓄性やお祝い金などは本質からずれている。それらの原資は結局、契約者の保険料から支払われることになるからだ。
保険のプロは手数料を抑えた、保険料の安い定期保険を利用するようだ。手数料が安い保険は、
- 対面販売
- テレビCM
をせずに、本来不要な費用を抑えたものであることが分かる。定期保険を利用する点もポイントだ。
保険の意義や、不幸が起きた際にいくら不足し得るのかを自ら考えて、自らのアクションで保険に加入すべきだ。
コメント