残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 レビュー

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所感

私の読書経験の中で1,2位を争う名著だったと思う。

本書の結論は、「幸福に生きていくための唯一の方法は、IT革命によって開かれた自由な市場で”好き”をマネタイズしていくこと」だ。

以下のような膨大な科学的知見と事実から反論が難しいレベルの見事なロジックでこの結論を導き出す。

  • ベッカーの人的資本論
  • 自己啓発
  • リカードの比較優位説
  • クリエイティブな分野とマクドナルド化する分野に2極化する知識社会
  • ゲーム理論
  • 進化論
  • 心理学
  • 複雑系
  • 動物行動学
  • 人間関係
  • ハッカー文化
  • ロングテール

本書は自己啓発の潮流に対する反発によって書かれた。しかし、遺伝や幼少期体験の檻に束縛されている我々は自己啓発が説くように、自分を変えることはできない

この知識社会において高く評価される能力は、言語的知能や論理数学的知能などに限られている。その能力に恵まれるか否かは運命によって決まっている。ちょっと勉強ができるだけで、この知識社会では裕福になれるが、ちょっと歌が上手かったり、運動ができたりしても、裕福にはなれない。

だからこそ、知識社会では評価されないような“好き”で生きていくという神話はとても魅力的だ。Youtuberや有名ブロガーが、

  • 好きなことで生きていく
  • まだ東京で消耗しているの

などと言って、色んなことに耐えて日々頑張っているサラリーマンを煽ってくる。しかし、サラリーマンとして我慢しているのは、そこに莫大なメリットがあるからだ。

しかし、ITによって加速されたグローバル化によって、サラリーマンのメリットは過去のものとなった。ムラ社会である日本企業で働くことは多大な苦痛をサラリーマンに強いるし、個人が好きで稼ぐことができるインフラはITによって整備された。

本書を読んだことにより、私はインターネットで個人で稼げる可能性と、それが幸福につながることを理解できた。それを行動に移す後押しを本書から得ることができた。

ブロガー? Youtuber? ワロス、って思っている人や、日々の労働が苦痛な人、将来が不安な人には是非本書を読んでほしい。きっと勇気と羅針盤を手にすることができる。

おまけ

これだけの科学的根拠の理解と論理を構築した著者の橘玲には脱帽する。そんな優秀な彼が学生だった頃はうまくいっていなかったことが本書に書かれている。

  • 高校では勉強で落ちこぼれ、
  • 大学でも非正規労働者まっしぐらだったが、ギリギリのところで出版社に入れた

色んな劣等感を抱きながら、いろんな本を読んで努力された方なのだろうと推察する。だからこそ、本書のような反自己啓発本を書いたのだと思う。

膨大な出典から簡潔に結論を引用し、つなぎ合わせた彼の著作は、私のような知識に乏しい人間にどんな本を押さえるべきかを教えてくれる。

そんな著者自身に関する内容が載っている著作は私が読んだ中では本書しかない。

著者

橘玲

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (幻冬舎文庫)

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