対象読者
- 起業で失敗したくない方
- 自分ひとりで仕事を抱え込んでしまう方
- ラクして仕事をこなしたい方
結論
自営業は
- 1年で40%
- 5年で80%
- 10年で96%
が倒産するようだ。
他人に仕事を委譲することができず、消耗してしまうことが原因だ。
ここから得られる教訓は、仕事を自分以外の人にも任せられるように整備することの重要性だ。
根拠
以下で自営業が廃業していくまでの典型例を追う。
1.起業への志向
以下を満たしたとき、人は起業に夢を見るようになる。
- 上司・会社のしがらみが嫌になる
- 会社で業務をこなす内に自分ひとりでも仕事が回せる自信を持つ
何のしがらみもなく、自分の能力で食っていくことは魅力的なアイデアに思える。その思考に支配され、そのまま起業に至る。
2.業務の丸投げ
会社員とは、税務などの雑務を会社に委託した専門家のことである。自営業では、営業やら会計やらの雑務も全て自分で行わなければならない。自分の能力(専門性)で食っていこうと思った矢先の雑務はどれほど億劫なのかは想像に難くない。
そんな中で事業は成長していき、自力では対処できなくなり始める。
そこで会計や電話対応などをやってもらうために従業員を雇うことになる。やっと雑務から解放され、自分の専門性を存分に発揮できるぞ!、と息巻いている間に魔の手が忍び寄る。
今までなかったようなクレームが入り始める。従業員の作業を確認すると、いろいろと不備があったことが明らかになる。
3.他人には任せられない
こんなやり方を誰に教えてもらったんだ、バカヤロウ。オレが自分で全部やる、と以前の状態に戻る。
従業員を雇うに至った原因(煩雑な雑務、仕事量の増大)は依然存在している。そんな中で自力でやっていくことに決めたのだ。
自分のキャパを超えた仕事に消耗していく。かつて好きだった仕事ですらも嫌いになる。初期投資のための負債があるため、事業を休むわけにもいかない。
やがて体力が尽き、失意の中、廃業へと至る。
解決策
3.が廃業か否かの分岐点であった。原因は仕事が自分に依存していることにある。正しい方法を知っているのは自分しかいない。一から従業員を教育するのもコストがかかる。だから自分がやるしかない。この状況を改善することがカギとなる。対策は以下だ。
- 業務の役割分担を明示する
- 業務をマニュアル化する
上記1により、業務に対する責務が明確となる。雇用者は責務を全うしてくれることが期待できる。被雇用者は、責務外のことはやらなくてよいので、集中して業務に取り組める。
2により、業務は経営者から独立したものとなる。他人がやっても同程度の品質が保証される。従業員を増やすことでスケーリングも可能となる。
この解決策はいわばシステムを創ることである。役割分担やマニュアル化は創造的で難しい仕事であるが、見返りは大きい。
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